声を届けたい!離婚後の子の「親権」をめぐる議論

今、日本では、法制審議会家族法制部会が設けられ、離婚後の親権をめぐる民法改正の動きが加速しています。
11/15には、中間試案がまとめられ、
今の制度である「単独親権」に加え、「共同親権」が導入される方向になってきました。

今の民法では、18歳未満の子の親権については
婚姻時は「共同親権」(父母がともに親権をもつ)
離婚後は「単独親権」(父母のどちらかに親権者を決めなければ離婚ができない)

共同親権になると、両方の親が離婚後も子供に関われる、これの何が問題なの?
とお感じの方も多いかもしれません。

ここで、親権とは、子どもが法律行為(売買契約など)をするときに子供に代わって行ったり、子どもの財産を管理する権利です。

両親が対等で良好なコミュニケ―ションをできる関係であれば、
婚姻中も、もし離婚をした後も、子供のために親権を適切に行使できます。
法律でわざわざ決めるまでもない、かもしれません。
現に、現行法で問題のない元夫婦もたくさんおられます。

ところが、DVがある夫婦の場合
・加害者は被害者や子どもを思い通りにしたい
・被害者や子どもは、加害者に関わることが怖い
・DVは加害者に責任があり、その環境は児童虐待にあたる
などなど、被害者と子どもにとって家庭は人権が保障されていない場です。
そんななか離婚を決めた被害者は、加害者から離れ、まずは心身を労りながら生活を立て直していかれますが
多くの場合、加害者には「自分が加害者」という意識がなく、
むしろ「妻と子が言うことを聞かないなんて、自分が被害者だ」と思われていることもあるようで、
離婚さえスムーズにできないケースも多々あります。
また、加害者が夫(男性)の場合、金銭的にも余裕があるのか、
何度も裁判を起こされること(リーガルハラスメント)も起こっています。
このような状況では、被害者は
・家を出たら大変な、しんどい状況になってしまった
・加害者と別居しているのに、何度もやり取りし
なければならない
・被害を受けた状況を何度も思い出すことになる
など、回復できる環境とは逆の、大変な心身の負担、経済的、時間的な負担が起きています。
「離婚」をすることさえこんなに大変なのに、共同親権になり、離婚後も重要な物事を決めるときに加害者と関わらないといけなくなると、どんなに大変かは想像に難くないでしょう。

今後この議論は、パブリックコメントが予定されています。
多くの方に関心をもって、声をあげていただきたいと思います。

※写真は、神戸市がコラボレーションしているベーカリーです。
DV予防啓発のパープルリボン、児童虐待予防啓発のオレンジリボンをかたどったデニッシュが販売されています♡