このコーナーは、フェミカン神戸スタッフが、最近読んだ本の個人的な感想を書いています。
今回紹介する本
『わたしは黙らない 性暴力をなくす30の視点』
合同出版編集部編 合同出版
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表紙の女性のイラスト、フラワーデモを連想させる花を持った女性に惹かれて手に取り、
当法人が企画した研修で講師に来てくださった方々が、本書に寄稿していることにも興味をもち、読み始めました。
過去、私は痴漢や性被害に遭うのは”自分が悪いから”だとずっと思っていました。
男性に笑顔で接しながらも、隙を見せないこと、
軽々しく触っていい女だと思わせないようにしないといけない、と信じていました。
たとえセクハラまがいのことを言われても、
笑顔でいなしながら相手のメンツを保つよう上手にふるまうことが大人の女だと思っていました。
だから痴漢に遭ったときは、夜にひとりで電車に乗っていた自分が悪いと自分を責めましたし、痴漢に遭ったことを誰にも話せませんでした。
わたしは「黙っている」人でした。
「女はこうあるべき」「女は男性の機嫌を上手にとることが出来て一人前」という社会の価値観のなかで「黙っている」ことで自分を守ってきたのです。
フェミニストカウンセリングに関わることで、「黙らない」人がいることを知りました。
性暴力をなくすための活動や発信をしている人がたくさんいることも知りました。
本書には、34名の当事者や、長年にわたり第一線で性暴力被害者を支援してきたアクティビストやジャーナリスト、研究者らが、性暴力の現状やこれまでの動き、今後の展望などを寄稿し、まとめられています。
あなたも「黙らない」人の声を聴いてみてください。
『わたしは黙らない 性暴力をなくす30の視点』
合同出版編集部編 合同出版