【報告】DV被害者支援機関や支援者に求められていること

HYVIS(略称ハイビス:ひょうごDV被害者支援連絡会)では、3月13日、
「DV被害者支援機関・支援者に求められていること
:被害者支援の経験・被害者からの声を参考に」
を開催しました。
(フェミカン神戸は、HYVISの事務局をしています)

講師はお2人。
DV被害者や子どもを支援する長年の現場経験から出発して、
当事者の経験と語りを尊重しながら、支援のあり方について研究をかさねてこられた増井⾹名⼦さんと、
自治体でのDV被害経験者の調査~施策への反映に関わってこられた経験をふまえ、
「どの自治体で暮らしても、適切な支援を受けていくには?」という問いに取り組んでおられる岩本華⼦さんです。

まず、DV被害者の経験を、
「同居」「一時避難中」というような物理的側面と、
「離別の決意」という心理的側面、
その2つの面の組み合わせで整理する「ステージモデル」を共有してくださいました。

その上で今回は、
①「加害者と同居中」のステージで、被害者が離別の決意に至るプロセスや、
②「加害者と別居(当初)、生活の再生の時期」のステージで、被害者がいかにして新しい生活を築いていくかというプロセスについて、
また①②それぞれの中でどんな支援を受け、それが本人にとってどんな経験になったのかについて、
被害者の生きるちから、強みにも着目しながら分析された結果と、
そこから考えられる支援のポイントをお話しくださいました。

ステージやストーリーを整理しながら、経験にしっくりくることばを探し、一緒に眺められる形にしてくださるお2人の講座は、
学び多く、また「まさにこうした時間を支援の中で増やしていけたら」と思えるような、とてもエンパワーされる時間でした🐸
増井さんのご研究は、ご著書『DV被害からの離脱・回復を支援する:被害者の「語り」にみる経験プロセス』
(https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784623087273)にもまとめられていますので、
ご関心のあるかたはぜひ図書館リクエストなどなさってみてくださいね。