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マイクロアグレッション/ ずるい言葉

このコーナーは、フェミカン神戸スタッフが、最近読んだ本の個人的な感想を書いています。

今回紹介する本

『日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション 人種、ジェンダー、性的指向:マイノリティに向けられる無意識の差別』
デラルド・ウィン・スー著、マイクロアグレッション研究会訳(明石書店)

『10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」』
森山至貴著(WAVE出版)

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マイクロアグレッションという言葉を聞いたのは初めてでしたが、
「人種、ジェンダー、性的指向:マイノリティに向けられる無意識の差別」の副題に惹かれて読み始めました。

「マイクロアグレッション」とは、「あからさまな」差別とは異なり、
曖昧で見えにくい差別のことです。

人種や少数民族、セクシャルマイノリティ、女性など、
社会のマイノリティに対して向けられる偏見や先入観から起こるもので、
差別した側に差別の自覚のないことも多いです。
マイクロとありますが、差別された側のダメージが小さいわけではありません。

最終章は「心理支援におけるマイクロアグレッションの影響」でした。
自分には偏見などないと思っている支援者が二次被害を与えているかもしれないと考えると、
少し怖くなり、人権意識に敏感でありたいと感じました。
内容が奥深く、一度読んだだけで理解できたとはとても言えません。
読み返し理解を深めたいと思う本です。

そして、マイクロアグレッションについて、わかりやすく書いてあるのでは、と期待して手に取ったのが『10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」』です。

カバーの表紙の内側に折り込まれている部分(「そで」と呼ぶそうです)には、
「大人より弱い立場にある子どもが『ずるい言葉』にだまされないようにするためのヒントを伝える本です。大人にも実感を持って読んでもらえると思います」
と書いてあります。
ここにはモヤッとくる29のシーンとその処方箋が示されていて、
世の中で当たり前に使われている「ずるい言葉」の何が問題なのか、
そこから抜け出すためにはどんな考え方を取り入れたらいいのか、具体的に書かれています。
「ずるい言葉」の中には、自分も使ったこがのある言葉が含まれていて、ドキッとさせられました。

マイクロアグレッションは気をつけていたとしても起こり得るもの。
自分が間違ったときには、自分の偏見を受け入れ、反省して同じことをしないよう心がけていくしかありません。

どちらも自分を問われる本でした。

『日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション 人種、ジェンダー、性的指向:マイノリティに向けられる無意識の差別』
デラルド・ウィン・スー著、マイクロアグレッション研究会訳(明石書店)

『10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」』
森山至貴著(WAVE出版)