朝日新聞の取材

先日、朝日新聞阪神支局社記者の方が取材に来られました。

7月の兵庫県知事選にむけて、女性に関する施策の課題を記事にまとめたいので話を聞きたいとご依頼があり、協力させていただきました。

人と会うことを仕事にしている私たちですが、慣れない取材に緊張しつつ、
相談現場から見える女性や家族の現状をお話しました。

コロナ禍でDVの相談件数が増えていると言われていますが、実は私たちが知る限DVの相談件数が目に見えて増えているわけではありません。

しかし、リモートワークなどで家族の在宅時間が長くなり、家族だけの時間が増え、
家族成員が外とのつながりが少なくなるにしたがい、家族内の問題がより複雑になっているように感じられます。 

コロナ感染の不安、外食や娯楽も自粛が求められ、ストレスが高くなっている家族のなかに、
支配的なDV加害者が存在するだけで、家族の緊張のボルテージが上がることは、想像できるのではないでしょうか? 

2020年4月には特別定額給付金の受給権者が住民票の世帯主に限定されたことによる困りごともありました。
世帯主の口座に振り込まれるため、他の家族の分も世帯主が独り占めしてしまい
受給権者本人の手元に渡らないという訴えも聞きました。

世帯単位ではなく個人単位で給付されていたならば、DV被害を受けて避難している方が、
煩雑な手続きをせずとも給付金を受け取ることができたのではないかと考えられます。

コロナ禍は、DV被害を受け避難をしている家族への、中長期的な支援が不足している現実も浮かび上がらせました。
ストレス度の高い中、トラウマを抱えた被害者親子が、どこにもつながらず孤立していく様子も見られます。

中長期的支援ができる仕組みを作っていくことともに
トラウマの影響を十分理解して、配慮ある関りができる社会(トラウマインフォームドケア)の必要性も
お話しさせていただきました。

知事選の立候補予定者によるオンライン討論会(神戸新聞社主催)を、取材を受ける前に見ましたが、
立候補予定者に、ジェンダーの視点や女性の置かれている現状についての理解があるとは感じられず、とても残念でした。

6/29には、ひょうごDV被害者支援連絡会の事務局として私たちフェミカン神戸も協力させていただいている
2021年兵庫県知事選挙・立候補予定者公開討論会  兵庫県の地域課題を知る、学ぶ、ともに考える
も開催されました。
○主催者
主催:ひょうご市民活動協議会(HYOGON)
共催:NGO神戸外国人救援ネット、兵庫フリースクール等連絡協議会、
Code for Kobe
協力:ひょうごん福祉ネット、神戸NGO協議会、ひょうごDV被害者支援
連絡会(HYVIS)、障害者問題を考える兵庫県連絡会議、神戸YWCA

女性や子供、マイノリティーの支援、福祉の現場を大きく担うNPOや民間支援団体と行政の関りについて等も
もう少し詳しくお話しされています。

このように、相談現場で私たちが見ている現状を行政に届けることも、
私たちフェミニストカウンセラーの役目です。