「母性は本能ではありません」?!

9/25に予定している公開講座
講師の川喜田好恵さんは当法人を長くサポートしてくださっています。
そして、数々の言葉で私たちに気づきや勇気を与えてくださっています。
今日は、スタッフの「川喜田語録」をご紹介します。

「母性は本能ではありません」

30年ほど前に、川喜田さんが講師のセミナーに参加しました。
当時の私は、2歳くらいの我が子を保育に預けて参加していました。

どんなテーマの、どんな内容のセミナーだったかは全く覚えていないのですが、
鮮明に残っている記憶があります。
講義のなかで川喜田さんが「母性は本能ではない」とおっしゃったのです。
私にとっては、青天の霹靂ともいうべき衝撃でした。

だって、巷には「母性本能」という言葉はこれでもかというほど登場し、
しかもそれは”本能の中の最も強いもの、最も神聖なもの”という位置づけのように感じていました。

それが、「本能」ではないって、どういうこと?

にわかに信じがたく、私は質疑応答の時間に、川喜田さんにあらためて尋ねました。
「母性は、本能ではないのですか?」と。
川喜田さんの返答は明快で、何の躊躇もありませんでした。

「母性は本能ではありません」

青天の霹靂の次に、目からうろこでした。

女性に生まれたなら当たり前に標準装備として母性本能が備わっているんだと思っていたけど、

そうじゃないんだ!

我が子はかわいい、
だけど時に(頻繁に)子育ては私の内面の葛藤を掻き立てて心を乱すものでした。
母性(親性)が本能ではなく
子どもに接することで学習によって得ていく“養護性”ならば、
私が葛藤するのは当たり前なのだ。

難なく子育てをしているように見えるお隣の奥さんも、同じ葛藤を抱えているかもしれないんだ。

そう思えた時、「母性が欠如している私は、人として女性として欠陥品」という劣等感、罪悪感が薄れていく感覚をもちました。

その後も、よそのお母さんと比べて
「だらしないダメなお母さん」という後ろめたさをすべて消し去ることはまではできませんでしたが
(それがジェンダーの根強いところ!)
本能が欠落している失格者だという烙印を自分に押すことはありませんでした。

30年前、悩める私に生きる道を示してくれた川喜田さんのことばでした。
9月25日公開講座「今を生きるためのフェミニズム」では、どんな“川喜田語録”に出会えるのか、楽しみです。

お申込みが始まっています。
9/25 14:00~ オンライン・無料の講座です。
見逃し配信もあります。
詳細・お申込みはこちら→講座情報『今を生きるためのフェミニズム』