【報告】今を生きるためのフェミニズム

9/25に公開講座『今を生きるためのフェミニズム』を開催しました。

1980年代から日本でフェミニストカウンセリングをしてきたパイオニア
川喜田好恵さんにお話しいただきました。
川喜田さんの育ちや、カウンセリングの場を通じて、
感じてきたこと、見えてきたこと、実践されてきたことなど
貴重な経験をたくさんお聞きし、
また、川喜田さんの問題意識やその取り組みに勇気づけられました。

フェミカン神戸はフェミニズムの視点を持ち、カウンセリングなどの女性支援をしています。
フェミニズムを知ることで、全ての問題が解決するとは言えませんが、
女性が生きづらさから解放される側面が多分にあるからです。
それはなぜでしょう?

5千年も前に始まるという男性(優位の)社会が
特定の役割を女性に振り分け、心理的なきめつけを設け、
(女性は結婚して母親になるもの。女性はおとなしく、受け身である。など)
あてはまらない者を「女として未熟」「女のくせに」などと排除してきました。
この役割分担を、川喜田さんは『女性は愛情供給係』『男性は経済供給係』と名付けます。
ご存じのように、そのような性差は存在しません。
しかし、宗教や文化がこの誤った「女性の役割」「男性の役割」を”これが正しい在り方”とすることで
あたかも当然のように継承されてきました。
この役割に当てはまらない人は、
「お前はダメだ」「(女として)価値がない」などと排除され、貶められるので、
「私ってダメな人なんだ」「女なのに、こんなこともできない」
…と自己評価が下がってしまいます。

DVや性被害の被害を受けるのが、女性の方が圧倒的に多いことはもちろん、

誤った「3歳児神話」「母性神話」によって
母一人に子育てが任されてしまい、”
子どもの”不登校、引きこもりが”母親の”問題にされたり

当たり前のように男性が筆頭者になる”家制度”
妻は夫の扶養、男女の給与格差 等も
この性別による誤った役割分担が影響しています。

そうした仕組みを自分ごととして理解することで
自分が置かれている環境・状況に対する見方が変わります。

役割に当てはまらない私がおかしい、のではなく、役割自体がおかしいのだ、と。

一気にすべてを解決したり、悩みをなくしたりすることはできませんが、
フェミニズムによって自己否定のサイクルを断ち切ることは可能です。

今を生きるために、フェミニズムによって、
自分に気づくことからはじめ、自分の道を歩くようになること
そのプロセスを支援することを、今後も続けていきたいとおもいます!