【ご報告】7/20 公開講座 上野千鶴子さんと考える 今、なぜ女性支援が必要か

上野千鶴子さんと考える「今、なぜ女性支援が必要か?~フェミニズムを学び、実践したいあなたへ~」
7/20に開催しました!
心配していた雨が降ることもなく、定員を超えたくさんの方に集まっていただけたことを心から感謝いたします。

今回のブログは長文になりますが、当日の様子や、上野さんの素敵なお話しの一部、そして参加者の方のご感想を紹介したいと思います。

まず印象的だったのは、会場との一体感!
実は演台を準備していたのですが、上野さんはあえて参加者と同じフロアーでお話しされました。そんな上野さんが私たちスタッフや参加者の皆さんと関わる姿勢から、学ぶことがたくさんありました。

講義の中では、日本はまた女性の地位が低い国として不名誉な更新をしたこと(ジェンダーギャップ指数が149か国中110位!)、東京医大の入試差別などをふまえ、
日本の女性が参政権を勝ち取って来た歴史(タナボタ式に与えられたものではない)、
「権利の上にあぐらをかくな」と、先制パンチがありました。
やっと手に入れた権利が、時の政治によって簡単に失われてしまうことが感じられる世の中で、
さらに、格差(ジェンダー・女女格差)が広がり、女性が暴力を受けても我慢を強いられる…
そんな社会を作ったのは、とりもなおさず、今を生きている私たちです。
しかし一方で、#Me Too運動のように、声を上げることのできる“我慢しない娘”を育ててきたのも私たち。
その功績は大きいと話されました。

また、これから超高齢化、人口減少へ向かう社会の中で
私たちは “人生のピーク(人にとってさまざま)から長い下り坂を下っていくとき、人に支えてもらわないといけなくなる。
支え合える社会に。相互依存は恥ではなく誇りに思える社会に。
「助けて」と言えること。弱さは悪くない。自立とは依存先の分散だ”
などこれから生きていくヒントになる言葉をたくさんいただきました。

最後のQ&Aでは上野さんはフェミニズムをどう定義するのかという質問がありました。
私を縛っているものから解放する「女性解放思想」。自分を否定されず、尊重する。弱者が弱者を支え合える社会をめざすもの
と定義され、わかりやすくはっきりとした言葉にしていただけたことで、共感と連帯のようなものを感じました。
(これって、まさにフェミニストカウンセリング!)

この日の講座2部では、上野さんのお話を聴いて感じたこと、自分の足元からできる実践についてグループで話し合いを持ち、共有しました。 私たちフェミカン神戸は、女性支援の活動を若い世代につなげたいという思いがあります。今回の出会いから、活動の輪が広がればいいなと思っています💫

フェミカン神戸では、女性のためのカウンセリング入門講座(9/30~)を実施します。
フェミニズムの学びを深め、仲間と実践していきましょう!
詳細はこちら【女性のためのカウンセリング入門講座】

読み進めてくださり、ありがとうございます。
ここからは、アンケートにご記入いただいた感想をご紹介します。
たくさんの素敵な感想をありがとうございました。掲載の許可をいただいたものをできるだけ、そのまま掲載しています。

・上野先生のお話はまさに今ききたいことで、本当に勉強になりました。同時に楽しかったです。第二部では同じ講演でもそれぞれ別の観点から問題意識をもったことがわかり、興味深かったです。素晴らしい企画をしていただき、ありがとうございました。
・最近知った上野さんの物腰の柔らかさ、やさしい声色で話される姿に感動しました。怒っていいし、声を上げて良い。弱者で良い。とても心に響きました。知識を深めることがいろいろな角度から冷静に見て考えられるんだなと上野さんを見て感じました。
・フェミニズムという言葉の印象が変わりました。現状もよくわかり、納得のいくお話でした。それからどんな質問にも的確に返答なさる講師の深い知識と人間的な懐の深さにも強く感銘を受けました。もっとたくさんの方に聞いていただきたい内容でした。
・構造的に暴力に負かされて生きてきていますが、自分らしいフェミニズムを考えながら実践し勝ちたいと思います。
・自分を縛っていることから解放されたい。支援されることは恥ずかしいことではない。
・上野先生の講演でこれまでの政治と現在の社会問題の関連が明確になり勉強になった。
・人は支援なしでは生きていけない。支援なしで生きていくのが自立ではなく、上手に助けてと言えるようになることが大切だということ。皆が弱者であるという自覚をもつこと。私なりの“フェミニズム”を考えてみようと思いました。
・上野さんが好きという人たちが集まっていて話(グループワーク)ができたというのはかなり凄い経験でした・・・。数分でも。
・男性の意識、女性の意識ともに変わらなければ根本から変えられない。今の世代がきちんと声を発し、次の世代につなげていくことも大切さを考えました。「考える」→「声を上げる」をしてゆきたい。
・わかりやすく楽しくさまざまなジェンダー問題についてお話ししていただきました。もっと学校現場でこれらの問題について生徒と考えていきたい。
・相互依存が恥でなく誇りである社会でありたい。もっと私を「助けて」と声を上げれる人になりたい。
・助けて、さみしい、と言ってよい。
・人は支援されないと生きていけないこと、自立するということは依存先を分散するということという言葉が印象に残りました。
・相互依存は恥ではなく、誇りであるということを認識する。
・フェミニズムの意味
・質疑応答の時間が短かった。話のテーマがざっくりだったので内容が発散してしまっているように感じた。
・Everything!ストレートな物の言い方がずしっときました。
・先生の本をこれまで数冊読んでいて、本に書かれていたことでたくさん共感できていたが、講演でも多く共感でき大変良かった。二部のグループワークで意図せず言葉が詰まって感情があふれそうになって驚いた。思ったよりも抑圧した何かが自分にあるのかもしれない。
・女性は非暴力を学んできたということ。それを次世代につなげていくためにバトンを受け取り、渡していかなければならないこと。
・昔持っていたフェミニズムという言葉のイメージが変わりました。自分とはあまり関係がないことかなと思っていましたが、まさに自分が学ぶべきことだとわかりました。ぜひ娘にも伝えたいと思います。
・たくさんの情報や問題点をわかりやすく、かつ面白くお話しくださってすばらしいです。
・人災であるという言葉が印象に残りました。時代背景を勉強し、自分に何ができるか、もう一度考えたいと思いました。
・すべての世代の女性が「生きてきたことが否定されない」社会になるよう、できることをしていきたい、支援したい、支援されたりしていきたいです。上野先生の本を読み直したいです。
・とても有意義な時間になりました。
・最後の「男性におまけの言葉」がよかった。
・第二部の進行がスムーズでなかった。グループ分けの人数が多かったような気がします。

皆さまありがとうございました。またお会いできますように!