5月23、24日、新緑に囲まれた京都で「日本フェミニストカウンセリング学会全国大会」がありました。
多くの会員や関心のある方々が全国から集まり、
今年も実り多い2日間となりました。
さて、シンポジウムでは
「性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの現状と課題~ジェンダーの視点から」
と題し、大阪、ひょうご、京都の各支援センターからのお話を聞くことができました。
大阪と兵庫のセンターからは、
活動の報告や相談から見えてきた性暴力被害の現状、
これから活動をスタートさせる京都からは、設立までの経緯や、
「病院拠点型」である大阪や兵庫とはちがい
関係機関が連携して支援を行う「連携型」のセンターとしての特徴
などの報告がありました。
レイプ、強制わいせつ被害の診察には時間がかかり、
時間外や深夜の受診が多いため、
病院拠点型センターの役目は大きいと感じました。
一方、連携型センターでは協力病院の確保という課題はありながら、
被害直後だけでなく継続的な心身のケアができるという点が心強いと感じました。
また、私が特に印象に残ったのは、
「性非行」としてSACHICO(性暴力救援センター大阪)へ
親や教師に連れて来られる少女たちのことです。
少女たち自身も周りの大人たちも、
性被害を受けているという認識がない、といいます。
「自分を大切にして」と声をかけても、
自分を大切にするとはどういうことなのかわからなければ、
“自分の意思で”お金を得るために性行為をしたことのどこが悪いのか、
わからない。。。
そして周りの大人は、非行少女として白眼視してさらに少女を大切にしない。
こうした少女や周りの大人たちに
‘被害者なのだ’という視点を持ってもらうことが必要です。
性暴力被害者支援には
ジェンダーの視点を持って取り組むことが不可欠だとあらためて感じました。