ブログ」カテゴリーアーカイブ

支援スキルアップ講座の報告②

◆DV被害者心理の理解と支援~被害者は、なぜ逃げないのか?~
講師:内藤みちよさん(京都府家庭支援総合センター心理判定員・臨床心理士)

京都府家庭支援総合センターの心理判定員として、DV被害者に接しておられる経験から、被害女性に見えている現実を、まるで“翻訳”されるように話していただきました。

支援者が被害女性と一緒にいるとき、彼女が一瞬、からだを固くしたので、
「どうしたの?」と尋ねると、「今、夫に似た人が見えた」と答えたそうです。
同じものを見ているはずなのに、支援者には見えず、当事者にしか見えない。
被害女性の現実とは、周りには見えないものだ
と、このエピソードから気づかされました。
支援者に必要なこととして、
🌱つながった手を離さないこと
🌱支援者自身の人権意識や、ジェンダーの意識をもつこと
が大事だと話されました。

また、相談者への実際の対応の練習として、言い換えや応答の練習のワークをしました。

自己否定や自責感、
世の中へのあきらめ、
人への不信感
などを口にされる被害者へ、どのような応答ができるでしょうか❓
印象的だったのは、
自分の選択に対し、「これでよかったのでしょうか」と問われた時、
支援者にもわからない選択の是非を、
「これを選んでよかったと言えるように、これからしていきましょう」と、
内藤さんは答えられたそうです。

選んで終わりではない。選んでよかったと思えるようにする💕
それはつまり、自分が自分を幸せにしていく主体になるということ

実践的で力をいただけるお話でした!

 

次回は、人は人の中で守られる」地域に根差した中長期支援
講師:認定NPO法人 いくの学園 スタッフ
の様子をご報告します。

支援スキルアップ講座の報告①

9月16日・23日の2日間、『女性への暴力被害 支援スキルアップ講座~ジェンダー(社会的性差)の視点を軸にして~』と題して、支援者向けの講座を開催しました。

各日とも2枠、計4名の講師に来ていただき、
両日併せてのべ68名の方とともに学ぶことができました。
ありがとうございました😊😊

いずれもとても濃い内容でしたので、各回に分けてご報告します✍️

では、早速9月16日
DV法の施行から16年、今、現場で求められている支援とは
 講師:近藤恵子さん(NPO法人 全国シェルターネット理事)

まず、DV防止法施行から16年経ち、被害者支援の現状は支援格差が広がったと、
近藤さんは指摘されました。
官民の支援格差、自治体間の支援格差、専門機関の連携格差です。

そして、さまざまな統計から、ストーカー、DV、セクハラ、性被害等、
女性への暴力の状況を読み解き、被害が過酷化し若年化が進んでいることがわかりました。

さらに、日本の自殺率の高さは、よく問題としてとりあげられるところですが、
近年の国の取り組みが奏功して減少傾向にある一方、
男女別にみると昔から女性の自殺者数はほとんど減っていないそうです!
内閣府統計へのリンク
男性の自殺者数が増えることで対策が講じられています

以前、上野千鶴子さんが「問題が“脱ジェンダー化”すると、問題となる」
と言われていたことを思い出しました。

皆さんの実感は、どうでしょうか❓❔

また、国が女性に対する施策に力を入れていないことに、強い怒りをあらわし、
婦人保護事業の根拠法として機能していない売春防止法ではなく、
女性のニーズに対応できる総合的支援のために『女性自立支援法』をと、話されました。

参加された方のご感想から、
過酷な現実と、それに取組み続ける近藤さんのパワフルな姿勢に
刺激と勇気を得られた方も多かったようです💖

次回は、
◆DV被害者心理の理解と支援~被害者は、なぜ逃げないのか?~
講師:内藤みちよさん(京都府家庭支援総合センター心理判定員・臨床心理士)
のご報告をさせていただきます。

女性への暴力被害支援スキルアップ講座(9/16・23)

9/16と23に開催する「女性への暴力被害支援スキルアップ講座」
いよいよ、今週末です!
たくさんのお申込みをいただき、ありがとうございます。

9/16は定員に達していますが、あと若干名、受付可能です。
9/23はまだすこし定員に余裕があります。
興味がありましたらご参加ください!
↓↓↓
お申込み、詳細はこちら

担当していただく講師からの資料が届き、準備を進めています。
当日は盛りだくさんの内容になりそうです🌟
ご期待くださいね。

 

☆開催中・申込随時☆気づきと回復の講座(@尼崎市)

尼崎市女性センタートレピエで、今年も「気づきと回復の講座&語り合い」をしています。

5月に始まり4か月。
最初は緊張感も漂っていましたが、だんだんリラックスした雰囲気になってきました❤️
受講生の皆さんが、熱心にメモを取り、うなずかれたり考え込まれたりしながら
参加される真摯な姿勢に、私たちファシリテーターもエネルギーをもらっています😉😉
講座の終了前の10分ほどは「アートの時間」
絵や工作、ビーズなどの作業をしながらこころのケアをする時間です。
時にはファシリの下手な冗談にやさしく笑って下さる受講生のみなさん、
いつもありがとうございます。12月までよろしくお願いします。

この講座に来られる方はDVの被害を受けた人
(講座では輝く力を持った人という意味を込めて「ほし(☆)さん」と呼ぶ)ですが、
おひとりおひとりの状況はいろいろだなあということを毎回感じます。
暴力の渦中にあって「これってDV?」と思い始めた人、離婚を考えている人、
離婚はしないと決めた人、離婚後何年も、何十年もたっている人…

支配と暴力を受けることによって深く傷ついた心の回復には長い時間が必要です。
中には、子供時代から支配と暴力が始まっていることもあります💧
トレピエはこうした人たちへの、多様な中長期支援の場でもありたいと願っています。

講座や語り合いは、面接などの1対1の支援ではできないことをする場 所。
同じような経験をした人たちがいて、安全で、特別な場所だと思います💞
一人で直面するのは怖いことでも、みんながいれば大丈夫だったりもします。
回復していくことは特別なことではなく、より自分らしく生きようとすることでもあります。

当事者のかたで、もし興味がおありなら、
講座は今からでも参加していただけます。
焦らずゆっくりと、今を楽しみながら、回復の道のりを一緒にたどり始めませんか?

講座の詳細・お申込みは、尼崎市女性センター(06-6436-6331)まで。
(必ず事前にお申込みをしてください)

お申込みが始まっています(9/16.23)

女性への暴力被害支援スキルアップ講座(9/16,23)

DV,性暴力…など女性への暴力被害者支援を
法制や社会、心理カウンセリング、シェルターや中長期支援、アドボケイト
の視点から広く捉え、皆様の活動に役立てていただける貴重な機会です。

支援に関わっておられる皆様は、現場でどのような困難をお持ちでしょうか?
自分の持つ現場以外にも、被害者のへ方の支援は どのように機能し、
社会につなげていけるのか。
被害者の回復と支援、そして暴力のない社会に向けて、
いい循環が起きるためにはどんなことが必要なのか?

ともに学び考える機会になれば嬉しいです。

すでにお申込みをいただいた皆様、お出会いできますこと、楽しみにしています!
また、引き続き受付可能ですので、関心のある方、お申込みをお待ちしています!

お申込みはこちらから…

【終了】女性への暴力被害 支援スキルアップ講座(2017/9/16.23)

 

【申込み開始】女性への暴力被害 支援スキルアップ講座

2017/9/16・23(土)13:00~16:30 @あすてっぷKOBE(JR神戸駅 徒歩5分)

DVや性暴力など女性への暴力の根底にはジェンダー不平等の問題があります
ジェンダー不平等とは、簡単に言うと
“男性が上、女性が下”“上のものが下のものを支配してもいい”というような
性別に基づく誤った決めつけです。
いまだ日本に限らず世界中の社会や日常生活の場でそうした決めつけが程度の差はあれ存在します。
そのため暴力が起き、またそれを容認してしまうという😢現状につながっています
(国連が動画をつくられているので、見てみてください)

ですので、被害を受けた方を支援するにあたり、こうした背景の理解と取り組みは欠かせません。

DV法が施行されて今年で16年になり、
今月施行された110年ぶりの刑法改正による性犯罪の厳罰化など、国も取り組みを始めている
とはいえ、悲しいかな、加害/被害はなくならず、時に支援現場でも加害/被害が起きてしまいます。
人間関係において、力(パワー)の違いはいろいろな形で必ず存在します。
👆あなたの支援現場では、どんな力関係が働いていますか?
👆それは支援にどう影響していますか?

支援者自身も、常に、支援を、自分自身を振り返ることが必要です。

シェルターや相談、自立支援、アドボケイトなど様々な支援の輪が広がりつつあります💫
被害を受けた方にとって、こうした専門的な支援が必要な時期がありますが、それで終わりではありません。
被害者がその後、自分の持つ力を活かし回復する過程で、それを支える人々の関わりもとても大切です💫

この講座では、講師の活動するそれぞれの現場でジェンダーの視点を軸に
どのような支援がなされているのかを学び、皆様のスキルアップの機会にしてください。

内容の詳細、お申込みはこちらへ

PDFチラシはこちら

本講座はKOBEソーシャルビジネス推進助成事業です。
主催:フェミニストカウンセリング神戸
共催:神戸市

5/27,28 日本フェミニストカウンセリング学会全国大会 in仙台

行ってきました!

シンポジウム「被災地支援に活かされたジェンダーの視点 ~6年を過ぎて振り返る~」
では、東日本大震災の被災地岩手、仙台、郡山で女性の支援を行った(行っている)人たちと
阪神淡路大震災を体験したフェミカン神戸のスタッフ、それぞれがそれぞれの立場から発言し意見交換した。

私にとって、阪神淡路大震災時に神戸の女性団体の発信にものすごいバッシングがあったことや、自分の個人的な震災体験や感情がどうしてもむくむくと思い出されて動揺し、20年以上たっていてもこうなる自分に驚いたり、「トラウマ」について考えたりしていろいろ落ち着かない時間だった。

しかし、当時と比べれば、東日本大震災ではいち早く様々な個人や団体が、避難所のあり方や女性への暴力についてジェンダーの視点から注意喚起をしたり、女性の雇用の創出のために助成金利用して女性支援事業を生み出したり、昨年の熊本震災では、直後に行政から女性の立場にたった避難所運営についての通達が行われていたことなどを知り、やっぱり少しずつでも社会は変わっているし、変えたのはたくさんの女性たちなんだと思うと、これからの社会についても少しは希望を感じられて勇気づけられた。郡山のシンポジストが語った、はじめは子育て中の女性の孤立感を軽減するためにと準備していた自己尊重トレーニングに触れたことで、これは自分のことなんだと涙が止まらなかったという話には自分も体験したフェミニストカウンセリングの原点を見る思いで、胸が熱くなった。

シンポジストたちの姿をみて、自分には少し苦手なことだけれど、気付いたこと大切だと思うことを社会に届ける工夫をあきらめない大切さを自分に言い聞かせた。そして、直接には知らないけれど、見たこと聞いたこと考えたこと知ったことを発信したひとたち、受け止めたひとたち、そして繋いでいった人たちの存在を考えると、孤独じゃないなあと思う。

忙しいし、遠いし、行くのを迷っていたけど、やっぱり行ってよかった。私がしているささやかな毎日のことも、おんなたちの歴史を作る小さいけれど大切なピースになっていくといいな。

セクハラ裁判を傍聴

2014年6月、神戸市に神戸本社をおくブライダル映像演出・写真撮影、子ども写真館などを手がける会社の社長と、親会社の社長が「研修」と称して京都の会員制ホテルに女性社員を宿泊させ、往路の車中から女性社員に飲酒させ続けた末、女性社員に対する重大なセクハラ(準強制わいせつ)がありました。
この後、被害女性2人は精神的に失調をきたし、以降就労不能となりました。
明らかな女性に対する性暴力であり、労働権の侵害、重大な人権侵害です。

労働問題の相談に応じている労働組合「なかまユニオン」は、両社に対して団体交渉を申し入れ、真摯に事実を認め謝罪すること、再発防止策を取ること等を求めてきました。しかし、両社はセクハラの事実を認めようとせず、逆に債務の不存在の確認と、社前行動や抗議ファックスを名誉毀損として、200万円の損害賠償を被害女性2名となかまユニオンに求めてきました。

しかし再三の和解交渉が決裂し、5月17日、神戸地裁で被害女性2人となかまユニオン委員長、そして加害社長2人への証人尋問がありました。
法廷には入りきれないほどの傍聴人が詰めかけ、
被害女性には声ならぬエールを、加害社長には無言の圧力をかけ続けました。
人前で自分が被った性暴力の事実を話す精神的負担は計り知れません。
それでも「許せない」思いで二人は事実を話されました。

それに対し社長二人は矛盾だらけの陳述をし、傍聴人からは思わず失笑やため息がもれていました。
お金や地位があるからと言って、何をしてもいいわけではない、
こんな当たり前のことがわからないなんて…、悲しくなるほどの憤りを感じました。

男女雇用機会均等法でセクハラが明記されて20年になりますが、こうした被害は後をたちません😢😢
今回の加害者である親会社は全国に20数ヵ所の直営結婚式場やレストランを持つ一部上場のブライダル企業で、女性社員も多く、「女性が活躍している優良企業」と評価されているそうです😢

このように明るみに出ることは氷山の一角です。
声を上げられない被害者が今もたくさんいます。
社会が真実を見極め、厳正な処分・対応がなされること、セクハラ被害が繰り返されないことを祈ります。

GW恒例❗️ 東京レインボープライド 

好天に恵まれたGW。いかがお過ごしでしたか?

私は🌈今年も東京レインボープライドフェス&パレードに参加してきました🌈
5月6日7日は予想を超える108,000人もの参加者で代々木公園内は人、人、人…。
人酔いしそうなほど😅😅

そして気持ちよく晴れ上がった5月7日最終日、渋谷の街を心湧き立つ音楽にのって歩きました。
パレード参加者も沿道の人々もみな笑顔で楽しそう😃

年々盛んになるパレードは
今年は23台のフロートが登場し、5,000人もの人が一緒に歩き、
渋谷のあちこちにレインボーフラッグが掲げられ、
町中から応援されている🎉そんな感覚になりました。

今後どんな方向に変わっていくのかは未知数ですが、
「今できることをする!」と思いを新たにしました。

≪東京レインボープライドについては↓こちら↓≫
「特定非営利活動法人 東京レインボープライド」は、「らしく、たのしく、ほこらしく」をモットーに、性的指向および性自認(SOGI=Sexual Orientation, Gender Identity)のいかんにかかわらず、すべての人が、より自分らしく誇りをもって、前向きに楽しく生きていくことができる社会の実現をめざしています

 

気づきと回復の講座&語り合い@尼崎市トレピエ(5/10~)

今年度も、フェミカン神戸のスタッフがファシリテーターを担当します✨

こころのケア講座(NPO Resilience)のプログラムに沿って行います。
フェミカン神戸では約10年、神戸を中心に継続してこのプログラムを実施しています。
取組みかたも、得るものも、おひとりおひとり、そして毎回違うと思いますが、
それぞれが自分の感じ方を大切にし、決まった答えのない問題に今の自分の答えを見つけていきます。
(講義の中で参加者の方に発表を求めたりすることはありません)
DV被害に遭った女性が自分や自分の周りで起きていたことに気づき、見つめるなかで、
私にとっての安全な場所”で“今の私を感じる”感覚を育てる場所でもあるように思います。

DVやトラウマについて検索すれば、情報はたくさんあります。
正しい情報は力になりますが、それはあなたにとっての正解でしょうか❓❔
しかも、今の自分にとっての正解が、未来の自分にとっての正解でもないかもしれない。。
誰しも、生きていくには絶えず変化する自分の気持ちや状況に寄り添い続けるための力が必要です。
しかしDVの被害に遭うと、例えば相手の気分次第で正解がころころ変わり、
それに合わせるよう要求されるので、余計にそうしたエネルギーが削がれてしまうことも多くあります。
これも一つの情報ですが…(^_^;)
その力を回復し維持するには、
実は、一緒に取り組む仲間の存在や支援(サポート)が有効です!

さてさて、この講座ではテーマに沿った12回の講座と、3回の語り合いの機会があります。
(詳細は添付のチラシ⇒2017気づき尼崎をご覧ください。お申込先は尼崎市女性センターです)

DV、トラウマ、身体的暴力や精神的暴力、境界線、グリーフ、コミュニケーション、自尊心などなど
単なる情報提供にとどまらず、
今一度ご自分にとっての理解と学びを深めることと、レジリエンス(回復力)が育つ内容です❤
そのほかにも今のあなたに必要なものを得ていただけると嬉しいです💌

自分の感覚を大事にしてみて
少しでも「やってみたい」気持ちがあればそれも大事。 
一方で、嫌なことはしない、のも大事な選択。

1回ごとの参加、いつからの参加でも大丈夫です。
ご自身を尊重して、お申込みいただい皆さんとお会いできること、楽しみにしています。

お申込みやお問合せは、尼崎市女性センタートレピエ(最寄駅:阪急武庫之荘)
内容をご確認、お申込みのうえ、ご参加ください)