投稿者「wmaster@fck」のアーカイブ

フェミニズムの視点を相談現場で活かす、とは??

私たちフェミニストカウンセリングでは、フェミニズムの視点を一貫して用います。
女性の抱えるしんどさや問題の理解において、フェミニズムの視点があるのとないのとでは、どのように変わってくるのでしょうか?

過去に当法人の養成講座を受け、現在相談員として活躍されている方が次のようにお話しくださいました。

「女性相談と精神科でのカウンセラーをしています。
精神科では男性のクライエントさんもおられます。
どちらの相談者も社会的弱者になりやすいという共通点があります。
女性相談を行う上で大切にしている視点は、女性の抱える問題が社会や文化の影響を受けて起きているという点です。
例えば、シングルマザーが貧困になりやすい理由として、男性よりも賃金が安い、男性に比べ正社員としての雇用が少ないことが影響しています。
また、女性は男性よりもモラハラを含め暴力を受けやすいので、傷つけられやすい立場だと言えます。
もし無力感、絶望感、自責感などで苦しんでいる女性がいたら、

「あなたに原因があるのではなく、社会や文化の中で女性が弱い立場にいることに原因があるのかもしれない」

という視点に気づいてもらえるように支援しています。
女性という同じ立場であれば、誰しもが同じ問題を抱えてしまう可能性があることを認識し、
孤立させない、ひとりではなくともに問題に取り組む仲間がいる
そいうことを知ってもらえるようなかかわりを心がけています。」

2021年9月より、女性の心理支援、対人援助者、支援者を育成するための講座を開講します!
今回はオンライン(zoom)ですので、遠方の方もご参加いただけます。

詳細はこちら→オンライン基礎講座「フェミニズムを学び、女性支援に活かす」

以前の講座の様子はこちら→2019年度カウンセリング入門講座

朝日新聞の取材

先日、朝日新聞阪神支局社記者の方が取材に来られました。

7月の兵庫県知事選にむけて、女性に関する施策の課題を記事にまとめたいので話を聞きたいとご依頼があり、協力させていただきました。

人と会うことを仕事にしている私たちですが、慣れない取材に緊張しつつ、
相談現場から見える女性や家族の現状をお話しました。

コロナ禍でDVの相談件数が増えていると言われていますが、実は私たちが知る限DVの相談件数が目に見えて増えているわけではありません。

しかし、リモートワークなどで家族の在宅時間が長くなり、家族だけの時間が増え、
家族成員が外とのつながりが少なくなるにしたがい、家族内の問題がより複雑になっているように感じられます。 

コロナ感染の不安、外食や娯楽も自粛が求められ、ストレスが高くなっている家族のなかに、
支配的なDV加害者が存在するだけで、家族の緊張のボルテージが上がることは、想像できるのではないでしょうか? 

2020年4月には特別定額給付金の受給権者が住民票の世帯主に限定されたことによる困りごともありました。
世帯主の口座に振り込まれるため、他の家族の分も世帯主が独り占めしてしまい
受給権者本人の手元に渡らないという訴えも聞きました。

世帯単位ではなく個人単位で給付されていたならば、DV被害を受けて避難している方が、
煩雑な手続きをせずとも給付金を受け取ることができたのではないかと考えられます。

コロナ禍は、DV被害を受け避難をしている家族への、中長期的な支援が不足している現実も浮かび上がらせました。
ストレス度の高い中、トラウマを抱えた被害者親子が、どこにもつながらず孤立していく様子も見られます。

中長期的支援ができる仕組みを作っていくことともに
トラウマの影響を十分理解して、配慮ある関りができる社会(トラウマインフォームドケア)の必要性も
お話しさせていただきました。

知事選の立候補予定者によるオンライン討論会(神戸新聞社主催)を、取材を受ける前に見ましたが、
立候補予定者に、ジェンダーの視点や女性の置かれている現状についての理解があるとは感じられず、とても残念でした。

6/29には、ひょうごDV被害者支援連絡会の事務局として私たちフェミカン神戸も協力させていただいている
2021年兵庫県知事選挙・立候補予定者公開討論会  兵庫県の地域課題を知る、学ぶ、ともに考える
も開催されました。
○主催者
主催:ひょうご市民活動協議会(HYOGON)
共催:NGO神戸外国人救援ネット、兵庫フリースクール等連絡協議会、
Code for Kobe
協力:ひょうごん福祉ネット、神戸NGO協議会、ひょうごDV被害者支援
連絡会(HYVIS)、障害者問題を考える兵庫県連絡会議、神戸YWCA

女性や子供、マイノリティーの支援、福祉の現場を大きく担うNPOや民間支援団体と行政の関りについて等も
もう少し詳しくお話しされています。

このように、相談現場で私たちが見ている現状を行政に届けることも、
私たちフェミニストカウンセラーの役目です。

【参加者募集中】女性のための自己肯定感up!ワークショップ

 

3回連続ワークショップを開催します!

7/10.24.8/28 10:00~12:00
オンライン(zoom)開催
女性限定・定員10名
参加費9,900円(税込み)

フェミニストカウンセリングの大切なテーマの一つである、自己肯定感。
皆さんは日ごろ、自分を大切に扱っていますか?
多くの女性が、自分のニーズや、想い、感情などを後回しにしてしまう傾向があります。
「自分のことは後回しにしなければいけない」と感じる場面があったり、
「自分のことは後回しにすべき」との、見えない強制力を感じて生きてこられた方もおられます。

まずは、ちょっと立ち止まって、「私には何が必要なんだろう?」と問いかけたり、
「当たり前」を見直してみたり、、、
「自分を大切にする時間」をご自分へのプレゼントにしていただくのもいいかもしれません。

今回は3つのテーマを通じて、自分や周りとの関係やコミュニケーションパターンなどを見つめていきます。

もっと自信をもって、自由に、自分らしくありたい方、お待ちしています!

詳細・お申込みはこちら→ 女性のための自己肯定感up!WS

※内容を、チラシでご確認ください→PDFチラシ

【報告】日本フェミニストカウンセリング学会 第19回全国大会が開催されました(2021/5/22)

昨年はコロナで中止を余儀なくされ、今年は改めて神戸で開催予定でしたが、
やはりコロナは収まらず全面オンライン開催となりました。
オンラインでの開催は学会においても、私たちFC神戸においても全く初めての試みです。

わからないことだらけのスタートでしたが、
FC神戸のスタッフと近隣の有志の方々にも参集いただき、実行委員会が立ち上がりました。
準備会議も画面上で顔を合わせての話合いです。
実行委員の間でも慣れないオンライン開催の共通イメージがもてず、
何をどう準備すればよいのか不安がつきまといました。
また、直接顔を合わせて集まれない状況は「一緒に積み上げ作り上げていく!」という醍醐味が
薄れるような残念感もありました。

準備は手探り状態でしたが、オンラインに詳しい有志の実行委員の協力も得て進みました。
プログラム作成担当の委員はオンラインの苦手な方でも参加しやすくサポートを感じてもらえる紙面作りを工夫するなど、各自が出来ることに取り組みました。

全国大会当日は
「トラウマのある社会で生きるということ~回復への旅を当事者と共に~」をテーマに、
フェミニストカウンセリングの現場でトラウマにどう取り組んできたか、何ができるか、など、
3人のパネリストの方から示唆のあるお話が聞けました。

また、分科会やワークショップにも沢山の方にご参加いただきました。

一つの分科会の話合いの中で、遠方のサバイバーの方が
「回復への視点が学べてよかった。オンラインだから参加出来た。」
と感想を述べられ、とても嬉しく感じました。

ご協力いただいた有志の実行委員の方々には本当にお世話になりました。
また関係者の方々にも感謝したいと思います。
そして、画面を通して参加いただいた沢山の皆さまとの繋がりも本当に嬉しく思いました。

困難な状況である今だからこそ、繋がっていくことの大切さを実感した大会でした。

【オンライン講座】自分でできるココロのメンテナンス~私が見つける大切なわたし~

6月5日(土)から3週間にわたって開催される
和泉市男女共同参画センター・モアいずみ主催
「自分でできるココロのメンテナンス~私が見つける大切なわたし~」
において講師を務めさせていただきます。

オンライン講座で、まだ空席があるようなので、是非ご参加ください。
オンラインが心配な方も、サポートさせていただきますので、一緒に楽しみましょう。

「自分に自信が持てない」
「自分を好きになるってどういうこと?」
「私は必要とされていない気がする・・・」など
ネガティブな気持ちになってしまうことはだれにでもあります。

どんな自分もOK
自分を大切にすることは
フェミニストカウンセリングの基本です。

自分と自分の感情をまるごとに大切にし
自分を信頼する力を育てることで
「自分の中にある力」を引き出すことを目的とした
女性のエンパワメントのための講座です。

講座では
フェミニストカウンセリングの視点で
女性の自己肯定感の低さはなぜ起こるのかを
ジェンダー意識の残る社会の現状からも
解き明かします。

 

第1回6月5日: 自己尊重感を高めるってどういうこと?
第2回6月12日: ココロのメンテナンス体感ワークショップ
第3回6月19日:私が見つける、大切な「わたし」のこと

オンラインでもつながりを感じられるよう工夫して、
講義・話し合い・セルフワークを通じて
丁寧に自分のことを考えます。

(講座詳細はこちらのリンクから→和泉市男女共同参画センター・モアいずみ

https://www.city.osaka-izumi.lg.jp/siseizyouho/danjyo/ibennto/1504140876710.html

チラシのPDFはこちらです

クリックして06051219kokoronomentenansu.pdfにアクセス

朝ドラ“おちょやん”にみるシスターフッド

先週最終回となった、NHK朝の連続テレビドラマ“おちょやん”を毎朝楽しみに観ていました。
波乱万丈の浪速千栄子さんの人生がモデルです。
私の世代(50代半ば)では、オロナイン軟膏のCMとかで見た程度です。
戦前の女性が、今よりはるかに厳しい生活、人生を強いられていたことを痛感させられます。

物語の序盤では、酒と博打におぼれてどうしようもない父親が連れてきた継母が妊娠、
主人公の千代ちゃんはわずか9歳で奉公に出されてしまいます。
継母はひどい女として描かれます。
しかし、終盤、行き場をなくした千代ちゃんを救ったのはその継母でした。
継母の頼みで、千代ちゃんは異母妹の娘(姪)の世話をするために3人で暮らすことになるのです。
千代ちゃんにとって、憎んでも憎みきれない継母ですが、彼女は手をついて昔のことを千代ちゃんに心から謝ります。
継母と姪と暮らすなかで、千代ちゃんは継母が字を読めないことを知ります。
また、昔、父親に連れられてきた時に継母が三味線以外ほとんど何も持っていなかったことを、千代ちゃんは思い出すのです。
そして、“この人もうちと同じような人生だったのかもしれない”と思ったのです。

フェミカンのテーマに「母娘関係」というものがあります。
最近では「毒母」という言葉もあるようですが、母と娘の間に起こる(母と息子では見られない)葛藤です。母親が自分の人生を娘に重ねたり、育ちの中でジェンダー規範をより強固にしたり、娘は見えない糸で母親に人生を操られていると感じたり。。
でも大切な親子、という関係性の中で、簡単には抜け出したり距離を取りづらい、
などという母と娘に特有の関係性があります。
この「母娘問題」に葛藤を抱える女性が苦しみから抜け出すためのひとつの視点は、
『母もまた、男性社会の中で苦しんだ被害者なのだ』と腑に落ちることだと思います。
千代ちゃんの言葉の中に、私は、女性同士の繋がり(母と娘のシスターフッド)を見たのでした。
このドラマの場合、千代ちゃんが救われた大きなカギは、継母から娘に心からの詫びがあったからなのかなと思いました。

ドラマ“おちょやん”では、単に継母を悪い女で終わらせるのではなく、
継母の苦難の人生を、多くを語らず千代ちゃんと視聴者に気づかせてくれる、素敵な脚本でした。

【5/22開催】日本フェミニストカウンセリング学会全国大会(再) 

【再び・シェア歓迎!】
2021年5月22日 日本フェミニストカウンセリング学会の全国大会 のお知らせです。
申し込み受付中!(WS・分科会については、定員に達しているものもあります)
皆様の支援・活動にお役立てください。

毎年全国各地で開催しているのですが、今回は全面オンライン実施になります。
ご興味のある方はご参加ください。

シンポジウム 10:30~13:00
トラウマのある社会で生きるということ
~回復への旅を当事者とともに~
フェミニストカウンセリングの現場では、
カウンセリングやアドヴォケイトを通じて、DV・性暴力・虐待など被害当事者と語り合い、
回復過程の傍らに居続けています。
今回は、3名のシンポジストとともに、より広い視点で「トラウマのある社会で生きること」
について話し合います。
◆シンポジスト
・岩井圭司(兵庫教育大学大学院教授 精神科医)
・ウィリングヘム広美(ハコミ研究所認定トレーナー 米公認臨床士)
・竹之下雅代(ウィメンズカウンセリング京都・学会認定フェミニストカウンセラー)
コーディネーター
・福岡ともみ(ウィメンズカウンセリング京都)

◆分科会・ワークショップ 14:00~16:00
(WS・分科会については、定員に達しているものもあります)

・フェミニズムとフェミニストカウンセリングの未来を拓く(仮)
・FCの視点での性暴力被害者支援(仮)
・DV被害当事者と子どもへの中長期支援
・コロナで変化した母との関係、母娘葛藤についての語り合い
・フラワーデモの#MeToo#WithYouに学ぶ性暴力と当事者支援
~フェミニストカウンセリングは何ができるか~
・相談現場で安全に心理支援を行うために必要な視点とツールを学ぶ
~マインドフルネス、身体感覚、神経系へのアプローチ~
詳細は以下のリンクをご確認ください

◆参加費(税込)
会員:4000円
一般(非会員):5000円
学生・サバイバーの方(自己申告):1000円
応援チケット:7000円

◆詳細・お申込みはこちら◆
https://19nfc2021.peatix.com/

【講座情報】気づきと回復の講座&語り合い@尼崎

「DVにあった女性のための 気づきと回復の講座&語り合い @尼崎」
5月から始まります✨

月2回、原則第2・4金曜の午前10時~12時
場所は尼崎市女性センタ・トレピエです。

DVの種類や暴力の影響、こどもへの影響、トラウマなど、
12のテーマでDVについての知識を学びます。

そして、自分に何が起きたのか、自分に何が起きているのかを見ていきます。

自分にとって、今何が必要なのか、に気づき、必要なものを取り入れる時間でもあります。

詳細はこちらのリンクから:尼崎市女性センタートレピエ

 

毎年開催しているこの講座は、初めての方も、何度も受けてくださっている方も、
その時々の自分に合った学びや必要な情報を得てくださっています。

まずは気になるテーマから参加されるのもいいですし、
最初から(連続で)参加いただけると段階的に学びを深めていく事もできます。
ご自身が参加しやすい方法で大丈夫です。

 

DV被害からの回復は、一直線に右肩上がりのプロセスではありませんが、
私たちファシリテーターや、他の参加者の方の存在とともに、
そして少しずつ丁寧に取り組むことで、
あなた独自の回復に役立てていただけるような講座をお届けしたいと思っています。

DV被害から離れ、ご自身の経験について整理したい方
知識や情報を得て、今後のことを考えたい方…
ご興味のある方、ぜひご参加ください。

お申し込みは尼崎市女性センタートレピエ(06-6436-6331)

※お申し込みの前に必ず、トレピエのホームページより詳細をご確認ください。

 

【5/22開催】フェミニストカウンセリング学会全国大会

【シェア歓迎!】
2021年5月22日 日本フェミニストカウンセリング学会の全国大会 を開催します。
毎年全国各地で開催しているのですが、今回は全面オンライン実施になります。
ご興味のある方はご参加ください。

シンポジウムは「トラウマのある社会で生きるということ
~回復への旅を当事者とともに~
◆シンポジスト
・岩井圭司(兵庫教育大学大学院教授 精神科医)
・ウィリングヘム広美(ハコミ研究所認定トレーナー 米公認臨床士)
・竹之下雅代(ウィメンズカウンセリング京都・学会認定フェミニストカウンセラー)
コーディネーター
・福岡ともみ(ウィメンズカウンセリング京都)

◆分科会・ワークショップ もあります。
・フェミニズムとフェミニストカウンセリングの未来を拓く(仮)
・FCの視点での性暴力被害者支援(仮)
・DV被害当事者と子どもへの中長期支援
・コロナで変化した母との関係、母娘葛藤についての語り合い
・フラワーデモの#MeToo#WithYouに学ぶ性暴力と当事者支援
~フェミニストカウンセリングは何ができるか~
・相談現場で安全に心理支援を行うために必要な視点とツールを学ぶ
~マインドフルネス、身体感覚、神経系へのアプローチ~
詳細は以下のリンクをご確認ください

◆参加費(税込)
会員:4000円
一般(非会員):5000円
学生・サバイバーの方(自己申告):1000円
応援チケット:7000円

◆詳細・お申込みはこちら◆
https://19nfc2021.peatix.com/

教材動画「性別思い込みあるある」を知ろう!

2月28日、カラフルチャイルドの学習会、『教材動画「性別思い込みあるある」を知ろう!』に参加しました。
カラフルチャイルドは、「性別違和」をもつ主に低年齢の子どもとその親を支援するために2018年から活動をしているグループです。「出会い/語り合いの場」の提供をはじめ、講演会や学習会を通して支援のネットワークを構築することで、性的マイノリティを含めた多様性が認められる社会づくりに貢献することを目的に活動されています。

今回の学習会の講師は、「新設Cチーム企画」主宰の塩安九十九さん。新設Cチームでは、2011年に「いろんな性別―LGBTに聞いてみよう」を作成されました。
そして、今回は教材動画「性別思い込みあるある」を作成されました。無料配信教材として、YouTube配信しておられます。
小学生向けに、5分以内で手軽に視聴でき、シンプルで使いやすい教材であることをコンセプトにされたそうです。
多くの学校では性教育がなされていない現状を踏まえ、子どもが直接視聴することができる方法としてYouTubeにされたそうです。

塩安さんのお話のなかで、「LGBTQ問題は女性差別をなくさないと解決しない」「マジョリティが変わらなければマイノリティの問題は解決しない」と言われたことが印象的でした。

動画はこちら↓↓